リーマンショックから2016年前半
いくつ先はどうなる
ドル/円は、リーマンショック(2007年6月)の円安値124.12円から各国の金融政策の違いにより2011年10月の75.57円まで約4年にわたり円高が進行しました。
<ポイント>
日本を除く中央銀行の政策は、大規模な金融緩和を実施したが、日本は金融緩和に消極的であったため、他国の通貨価値が低下したのに円は価値を維持したため相対的に円高となった。
では、2011年10月に、なぜ反転したのでしょう。
<ポイント>
政権が民主党から自民党に変わることが確実になったため市場は経済好転を予測し、安全資産である円を売るリスクオンとなった。
政権交代し、日銀総裁が黒田さんに代わり、デフレ脱却、経済成長2%をかかげ、大胆な金融緩和『異次元規模の緩和(俗にいう「黒田バズーカ第1弾」)』を実施した。
この結果、市場は好転し長らく円安、株高が続くことになりました。
その後、ギリシャ信用不安、アメリカの金融政策変更に伴う新興国不安(注1)、もありましたが2015年6月には125.85円まで円安が進みました。
しかし、その後は中国の経済成長の減速懸念と株式相場の下落、原油安(注2)などから今日に至るまで円高傾向が続いています。
テクニカル的に見てみると、2015年6月の安値は、リーマンショック前の安値と同等です。これはフィボナッチの100%戻しといっても良いでしょう。
では、今後ですが現在は2011年10月の高値と2015年6月安値からの戻しフィボナッチの61.8%付近ですが、上昇局面の月足チャートでは揉み合っていません。そのため、50%戻しの101円が視野に入ると考えています。ここで踏みとどまるか100円を超える高値になるかで戻りも大きく変わると予想しています。
何らかのリスクが顕著になった場合、100円を切ることも十分考えられます。
<注>
アメリカの金融政策変更で、新興国不安になったのは、金融緩和で市場には、ドル資金があふれていました。その資金は多くの国に投資されていましたが、金融引き締めにより、新興国からその資金の引き上げがおこり、新興国の市場、通貨が下落に転じました。
<注2>
原油は、金融緩和であふれた資金で買い上げられ値を伸ばしましたが、アメリカの金融引き締めから下落に転じました。
また、原油価格の上昇で採掘にコストのかかるシェールオイルでも十分に採算がとれたので大規模な開発がされました。しかし、原油価格の下落に伴い、採算が悪化し、生産会社の経営危機に発展しました。加えで、中国の経済成長の鈍化の影響もあり原油そのものも供給過剰となり、さらなる価格下落を招きました。
<2016年4月9日作成>
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